【ギリシャ】アテネからフェリーで1時間半。エギナ島でのんびり旅。
ギリシャと聞いて思い浮かぶのは、白と青のコントラストが美しいサントリーニ島や、ナイトライフがにぎやかなミコノス島かもしれません。でも、ギリシャにはもっと素朴で、もっと身近に訪れることができる、味わい深い島があるんです。
今回足を運んだのは、アテネからフェリーで約1時間半のところにある「エギナ島(Aegina)」。大都市アテネのすぐ近くにありながら、のんびりとした空気と地元らしい暮らしのが感じられる、静かで豊かな時間が流れる場所でした。
フェリーで小旅行。エギナ島へ出発
朝、アテネ市内の宿を出発し、電車でピレウス港へ。ピレウス港には様々な島へ向かうフェリーが出ています。私が乗ったのはエギナ行きのフェリー。船乗り場に着いて、エギナ島息はどこから乗ればいいか聞くと、全く逆側の乗り場だと言われ、さらに15分ほど歩いてようやくエギナ島行きのフェリーを見つけました。しかし、チケットを購入していないのにチケット売り場に着いたときにはすでにフェリーの出発時間。売り場のお兄さんに、どうしてもアレに乗りたいと伝えると、あなたが乗ってから出発するから大丈夫と言ってくれまして一安心。
なんとかフェリーに乗り込み、のんびりした雰囲気のデッキ席に座って、エーゲ海の景色を眺めながらエギナ島へ向かいました。出発して約1時間半、島が多すぎて最初はどれがエギナ島かわかりませんでしたが、ついにエギナ島が見えてきました。
港に近づくと、かわいらしい白い建物や教会のドーム屋根、オリーブの木が目に入ります。島に入ると、アテネの都会とは全く違うのんびりとした島の雰囲気を感じることができました。
ピスタチオの香りが漂う島
エギナ島は、実はギリシャ随一のピスタチオの産地。フェリーを降りてすぐの港周辺には、ピスタチオを扱うお店がずらりと並んでいて、“ピスタチオ通り”のような風景です。
歩きながら店先をのぞくと、ローストピスタチオ、ピスタチオクリーム、ピスタチオ入りのスイーツやヌガーなど、種類も豊富。どの店も気前よく試食させてくれるので、食べ比べが楽しくて、気づけばけっこうな量を味見していました。
特に印象に残っているのは、なめらかでコクのあるピスタチオクリーム。トーストに塗ったり、クラッカーと合わせても美味しいとのことで、すぐにお土産用に購入決定。もちろん定番のローストピスタチオも外せません。
その場で店の人と会話をしながら選ぶ楽しさもあり、観光というよりちょっと贅沢な地元の買い物時間を体験しているようでした。
海辺の食堂でシーフードランチ
お昼過ぎに、歩いていて見つけた地元の小さなタベルナ(ギリシャの食堂)にふらりと入りました。観光客向けではない、素朴で家庭的な雰囲気。
注文したのは、フライドいか(カラマリ)と、小魚の唐揚げ(ガヴロス)。どちらもレモンをたっぷり絞っていただきます。衣はカリッと香ばしく、中はふわっとやわらかい。港町のこの雰囲気の中で食べるのが最高でした。
まわりのテーブルでは地元のおじさんたちがくつろぎながら会話を楽しんでいて、旅人ではなく島の一員になったような気持ちになりました。
雨宿りという名の休息時間
食後は海辺をゆっくり散歩していたのですが、突然空が暗くなり、ぽつぽつと雨が降り始めました。やがて本格的な雨に変わり、近くのバスの待合所のような場所に避難。風も少し強くなってきてなかなか外に出られず、そこで長い時間雨宿りしていました。
ちょうど島でのんびり過ごしたいと思っていたし時間はたっぷりあったので、ちょうどいい休息になりました。
旅先では、ついあれこれ動きたくなってしまうけれど、たまにはなにもしない時間も悪くないなと感じました。
島の余韻を胸に、アテネへ
雨が上がる頃には、フェリーの時間も近づいてきたので、エギナの港へと戻りました。帰りの船の中では、購入したピスタチオをつまみながら、ギリシャの島々を眺めながらアテネへ向かいました。
華やかな観光名所やアクティビティがあるわけではないけれど、おいしいものがあって、親切な人がいて、海があって、静かな時間がある。エギナ島は、そんな癒しのような場所でした。
次にギリシャを訪れることがあったら、またこの島に来たい。今度は晴れた日の海岸を、もっとゆっくり歩いてみたいと思います。
旅のヒント
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アクセス:アテネのピレウス港からフェリーで約1時間半。高速船もあり。
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お土産におすすめ:エギナ産ピスタチオ、ピスタチオクリーム、ピスタチオ入りのスイーツ。
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おすすめの時間帯:朝から夕方までの日帰り旅も可能。できれば半日以上滞在するのがおすすめ。
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雨対策:突然のスコールもあるので、軽い雨具を持っておくと安心。